レジオネラ菌の消毒

2011.11.19

定期的な細菌検査と同時に指導してきた対策の要点は、二点に尽きる。一つは、レジオネラ属菌の消毒には、浴槽内残留性の高い種類の塩素剤の効果が確認されているとして、浴槽水中の残留遊離塩素濃度を一日に一〜二時間、〇・二〜〇・四ミリグラム/リットルを目標値に、各種の塩素剤使用を徹底させること。このくらいの残留遊離塩素濃度であれば臭気はまったく感じられないというが、適正濃度の塩素剤がどの程度がまんできる臭気なのか、また、複雑な循環パイプやろ過装置をもつ大型温泉施設でも効果は同じなのか、利用者にはわかりかねる。

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もう一つは、利用者が多いろ過循環湯の大型入浴施設では、頻繁に点検・清掃や湯を替えることで、レジオネラ属菌を増殖させる要因を取り除くことをあげている。では、飛沫を浴びやすい口には対策がなされているのだろうか。浴槽の1面より上に付けられた湯口は、本来は源泉が浴槽に注がれることを前提に、環境庁(当時)の通知で、「温泉は(浴槽の)1面より上から掛け流すこと」と指導されてきた。これは循環湯の注入口を意味するものではなかった。そこで現在は、細菌が繁殖しやすい湯のよどみができないように、循環湯では浴槽の底部に近い部分で湯が補給注入される構造が望ましい、という行政指導に変わっている。しかし現場での改善が一向に見られないのは、私たちが温泉で目にするとおり。従来のまま循環した湯を上から注いで飛沫が飛ぶ湯口を残した浴槽が多いのだ。とくにCタイプのろ過循環湯では、旧来型の湯口をなくす必要がある。そして、噴霧状態が生じないよう、気泡浴タイプの浴槽をやめるといった改善を行う必要がある。さらには循環させた湯を長く使い回すことをやめ、新鮮な湯を常時補給する循環湯施設しか容認しない強い行政措置が必要である。加えて、ろ過循環湯ではなおさら、浴槽を日々隅々まで清掃して湯を交換し、ろ過装置もきちんと洗浄し、細菌が増殖しやすいぬめりや古い湯だまりを除くことが欠かせない。コストを理由に、それをしたがらない施設には即刻退場を願いたい。利用者自身も、入浴する前に下半身を中心に、よくからだを洗ってから入るという、当たり前の作法を守る必要性がある。多くの人がおざなりにからだに一回湯をかけるだけで、汚れやすい部分をきれいにせず、浴槽に飛びこんでくる。混浴露天風呂などは周囲の視線もあるためか、入る前に湯をかけもしない。その後、洗い場でやたらからだをごしごしやったって遅い。