尖った巨大な岩の切り立つ海岸線

2011.10.20

甘い和菓子を頬張りながらお茶を飲んでいると、列車はトンネルをくぐって、尖った巨大な岩の切り立つ海岸線に沿って走る。さらにその岩の一部が飛び散って海にばらまかれたような、荒々しい光景だ。頻繁にトンネルをくぐるので、景色は途切れ途切れになる。通称「笹川流れ」にさしかかったようだ。渓流みたいな名称だが、日本海の景勝地のことである。景色に見とれていると、「名勝笹川流れと夕陽のすばらしい町、桑川に到着します」とのアナウンス。車掌は駅名を連呼するのではなく、必ず枕詞のように観光案内もかねて形容語句をつける。羽越本線は関西と青森をつなぐ日本海縦貫線の一部で、特に貨物の大動脈である。旅客を含め列車本数はかなりあるため、本当なら全線複線にしたいところだろうが、このあたりのような複雑な地形のためか、簡単には実現しないようだ。そのため複線区間と単線区間が複雑に入り乱れている。また複線にするにしても線路をもう一本敷くなど至難の業たったようで、一方の線路だけトンネルに入ったり、一方だけ高いところを走ったりと、工夫の跡が見られる。さらに並行して道をつくるのも大変だったのか、安易に海岸寄りに張りついていたりする。おかげで道路が車窓風景の妨げになることしきりで、ときおり背の高いトラックが並走すると悔しくなる。